民法の学びなおし 第2回として、「民法の構成」をお届けする。ちなみに、各回1000文字(Wordの標準設定でちょうどA4 1ページが埋まる程度)を目安に、さっと読み切れる長さを意識して執筆している。
民法は4桁条もある異様に大きな法であるから、その構造を把握することも他の法律に比べて重要である。まず、ざっくりと①総則 ②財産法(物権・債権) ③家族(親族・相続)と分かれる。
これらは、更にパンデクテン方式という仕組みで並べられていると説明されるが、これはドイツ民法に由来する考え方で、共通部分→個別部分(総論→各論)という順番で並べられていることを意味する。なお、民法以外の法律に目を向けてみると、例えば知的財産権法分野では、このパンデクテン方式が採用されていない(多くがアメリカ法由来のため)。
簡単にそれぞれを説明すると、①総則では、民法全体に流れる共通事項を定めている。例えば、第3条「私権の享有は、出生に始まる。」は、いつから民法上「人」として扱われるのか?ということを定めており、財産権の帰属主体としての前提となる、という意味で②に影響するし、相続の主体であったり、出生時点で親子関係が決定したり、という意味で③にも大いに影響がある。こういった部分で、①総則は民法全体の総論、共通部分として前にくくりだされているのである。
次に②財産法であるが、これは文字通り財産に関する規定である。財産を大別するとモノとカネになるため、それぞれ物権と債権に分類される。本当の財産は人と人とのご縁です、とかいうセリフは民法の世界にはない。将来の契約相手になれば財産法の規律する世界に入ってくるので、早いこと契約に結びつけて欲しいものである。
さて、最後に③家族法。身分法という言い方もされたりする。婚姻や子供といった家族の形を規定するのが親族法分野であり、相続に関して規定するのが相続法分野である。こうしてみると、相続法は身分法の中にありながら、基本的にモノとカネの話をしているという点で異質であり、そういった面から、親族法と切り離されて考えられている。昨今話題の同性婚についても、憲法の改正(ないしは解釈変更)はもちろんのこと、現実問題として現在の民法は同性婚を想定しておらず、もっといえば基本的に男女がくっついて子供を作ることが大前提になっているため、大幅な改正が今後なされることが予想される。
コラム2
同性婚の話を少し書いたが、個人的な話、同性と同棲している身からすると、婚姻できるようになれば財産上のメリットが大きい。一方で、これら財産上の恩恵は将来の金づr……日本の担い手である子供を産んでくれることに対するものであるという一面は無視してはいけないと考える。婚姻を前提とした社会の仕組みで、子供をつくる機能に関係のない箇所(入院時の面会など)は一刻も早く我々にも開放してほしいが、扶養控除まで頂こうという厚かましいことは到底私には申し上げられない。と、イチ当事者の私見を述べておく。