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ポレポレ東中野にて公開中のドキュメンタリー映画、「靖国・地霊・天皇」を鑑賞してきました。∫ignussにとってはこういった映画館で(つまり、TOHOシネマズとかイオンシネマ的なところじゃない)映画を見るのは初めての経験でした。
整理券入場制だったり、いろいろと普通の映画館とは異なる環境。今回は友人と行きましたので、焦ることなく鑑賞出来ました。
それはいいんだ。
内容に関しては、どうこう言う気は無いです。個人的にはそりゃこの監督さんとは意見を異にするんだなあ、と思う結果となりましたが、それは色々な意見があって当然な問題であるし、私自身監督や、実際関係しておられる方々に比べ、知識も何もかもが浅い。議論の資格すら無いのかもしれない。
ただ、どうしても違和感を禁じ得ない点が幾つか……。まず、戦没者の方々や戦犯として刑に処された方々の手記や手紙が出てきます。これはなんの問題も無い。どう思うかは別にして常套的な表現。しかし、この手記や手紙に混ざり、現在でいう朝鮮人の戦没者の方のお名前を出した上で、作中そのままの表現ではありませんが、「私は○○作戦で爆死しました。」そして彼が郷里の어머니に対する思い、という流れで手紙が進んでいく……。
違和感に気づきません?爆死されたのに死後に郷里のお母様に手紙を書かれたんですかねぇ……。「靖国に合祀しないで欲しい、どうかお母さん、僕を靖国の呪縛の鎖から早く解き放って下さい。」といった趣旨の文章でした。 この文章を書いた後、作戦で死亡されたのなら、まさに監督の伝えたいメッセージにピッタリなものだと思いますので、引用するのになんの違和感もありません。しかし、これは明らかな捏造。
創作表現としても超えてはならない一線を超えてしまったような気がしてなりません。
もう一つは、これは個々の考え方もあるのでしょうが、天皇には敬語を普通使うと思うんですがねぇ。在特会の弁護士さんも、合祀反対派の弁護士さんも、インタビュアーさえ殆ど敬語を使われませんでした(在特会の弁護士さんが一部使用した気がするが……していない時が合ったのは間違いない)。
あと、金満里さんの扱い。身体表現家の金満里さん(*1参照)のパフォーマンスを幕間やバックグラウンドの映像として使用されていました。もちろん、金満里さんご同意の上でしょうから、どうこうは言えませんが、どう考えても在日二世である金さんに対し、「合祀反対」→「韓国」といった具合の象徴として扱っている気がしてなりません。 金さんの劇団「態変」を知らない、金さんの表現を目にしたことが無い、という方には、きっと金さんが今作の印象で残ることでしょう。これは少し残念ですね。
ちなみに、映画公式サイトでの金さんのプロフィールの最後に、
<本作では、靖国に眠る死者たちを鎮魂する「地霊」を演じている。>
とありました。とはいえ、先に述べた想像は禁じ得ない……。
結果的に色々と批判めいた形になってしまいましたが、ぜひみなさんもこれから東京以外でも上映があるようですので、足を運んでみられて、ご自身の目で確かめてはいかがでしょうか。私の意見に共感いただけるか、それとも反感を持たれるか。
(*1)生きることのはじまり/金満里/著 本・コミック : オンライン書店e-honより引用
金満里さんのプロフィール
「金 満里1953年大阪生まれ。在日の二世。3歳の時ポリオに罹り,最重度の身体障害者になる。21歳の時から24時間介護による自立生活を始め,現在,身体障害者だけの劇団「態変」を主宰」
http://ch.nicovideo.jp/magicrin/blomaga/ar576781#- にもほぼ同文を公開しています。
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